Dギャラリーアーカイブ08
D-GALLERYアーカイブ編集者/牧村/森
●第3回/制作過程で起こる意外性に感動。
牧村/
前回、面白いという言葉がでました。それは具体的にはどういう事なのですか?
MAC/
例えば、バックパターンの作品を新たに作るとします。前回を超える物を作る。
自分にそう言い聞かせて取りかかります。まず頭の中でイメージを作ります。
言葉ではいえないイメージです。でそれをPhotoshopでビジュアルにして行きます。
いろいろなフィルターなど使ってビジュアルをよりイメージに近づけていきます。
その過程が面白いのですよ。ねらって出来る事もありますが、
偶然出来上がることもかなりありました。自分で想像したものを遥かにこえるイメージが。
そんな時はほんとうに鳥肌が立ちます。すごいな~と。
自分がすごいという事ではなくなんて表現したらよいか迷いますが、とにかくすごいのですよ。
感性や感覚を超えた感じかな?自分が作ったという感じとは何かが違う感じです。
これはそれを体験した人にしかわからないもので、
「Dギャラリーシリーズ」の制作以外でもデザインの仕事をしていてもたまにある感覚です。
牧村/
そうですか。そんな偶然な制作過程が面白いのですね。
では具体的にその過程を教えて頂けますか?
MAC/
これはね企業秘密です。
すいません・・・当時も人にどうやってつくるのか?教えた事はありませんでした。
というか、だいたい見てどうやってできているのか?想像できると思っていました。
たぶんデザイナーならわかるだろう、と。でもね以外にわからないみたいですね(笑)
ある時にどうやって作っているのか?同業の若い方に指導する機会があったのですよ。
(これも作り方を教えるものですが、主になる部分の工程は省いていました)
で作り方を手取り足取りで教えましたが、自分のイメージとはかなり違って出来上がりました。
同じMacを使って同じソフトで同じように特殊効果をかけて作りましたが、何かが違うのです。
とても不思議でした。それで気づきました。Macはあくまで道具であってそれを使う人の感性、
センス、技術?などで出来る物がかなり違うということを。
牧村/
やはりね、企業秘密ですね(汗)
先ほど、他の方に指導した話がありましたが、やはり感性、センスは大事だと思いますか?
MAC/
私はかなりおおざっぱな人間です。こういった作品をつくる時でも、後先関係なく作ります。
この後先というのは、あとで出来た作品をもう一度つくり直すために
レイヤーや効果などを残さないで作ります。すべて統合して作ります。
なぜか?データが重くなるので軽くして動きをよくしたいためです。
今では重いデータもサクサク動くのですが、当時はそれが無理でした。
そんなこともあってそうやって作っていました。
やり直しをしない!一発勝負で決める!コレでした。
なのでセンスというよりある種の度胸でしょうか?大事なのは。
牧村/
ははははははっ、面白いですね(笑)センスではなく度胸ね。
度胸というより無謀?ですね(笑)
でもそういう逃げ場の無い環境で自分を追い込み制作することで何かが見えるのでしょうか?
いやいや、参りました(笑)
さて話は変わりますが、今だから言えるエピソードとかあれば教えて頂きたいのですが?
MAC/
エピソードですか?沢山ありすぎて困りますね(笑)何を話そうかな?
あっ!コレからお話しましょうか。当時うちの息子がまだ幼稚園に行っていた頃で、
たまたま使用されたものが、九州かどこか地方のウルトラマンイベントのポスターでした。
でウルトラマンティガとウルトラマンコスモスの2代ヒーローのバックに私の作品が載っていました。
でサンプルで頂いたポスターを自宅に持ち帰り息子に見せると大喜びでね(笑)
まあ、この仕事をしていてこんなメリットがあるとは?とても良い体験でしたね(笑)
あとね、書籍の表紙に採用されたこともありましたね。
掲載された本をいただきましたが、これが少し怪しい本でね(汗)
中身を少し読みましたが、あっ!洗脳されそう!ヤバいよヤバい!!っていう内容でしたね。
えっ?どんなタイトルか?いやいやここではとても言えません・・・。
このぐらいでお許しを(汗)
牧村/
などほど。お子さんに対して自慢できたのですね。それは良かったですね。
まあレンタルの仕事は作品がどのように使われるのか?わからないので、
ある程度予測出来るものもありますが、予想外のものも多々ということですね。
怪しい本?見たいですね~(笑)
さて、まだまだお話は続きますが、お時間が来たようです。
今回はこの辺で。また次回お楽しみに。
公開日/2016年04月28日