第5回:似顔絵デコメ倶楽部_2


過去仕事備忘録編集者/

■量産体制

1つ1つ作家がつくるという「画期的な」似デコですが、
立上げ当初の不安はやはり
「注文が殺到しても、さばけるのか?」
という事でした。

また、当時は携帯コンテンツとしての価格の縛り(上限)も
厳しいものがありましたので、絵師さんへの報酬が
割安なのも気になるところではありました。

そんな経緯で、中国で量産できないかという話がもちあがり、
視察にも行っています。(私ではありませんが)

結論からいうと中国での作画の話は無くなりました。
何人かにサンプルを描いてもらったのですが、
何か違うのです。
似てる似てない以前の何かが違う。
人の顔、民族、文化・・・
色んなものが少しずつ干渉しあって、
言葉に出来ないズレを生み出しているのかも知れません。

注文のピークは、初年度の年末・年始だったと思います。
何とか国内の契約絵師さんで乗り切れました。

■スマホの台頭~撤退へ

そしていよいよスマホが主流になってきました。
それまでのデコメというものは、あっという間に
時代遅れ、今でいう「オワコン」と化しました。
スマホ対応コンテンツに移行するか検討もなされましたが、
資金的・人的投資を回収出来る見通しが立たなかったため、
撤退という選択となりました。

■似デコの遺産

そんな似デコですが、現在の業務に継承されている事もあります。
当時外注で主力だったチームは、今でも別の似顔絵制作で
大きな戦力として活躍していただいてます。
大量受注に対応出来る、かつ一定のクオリティを維持出来る、
これは似デコ時代に培われたスキルです。

公開日/2016年06月15日



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