第1回:ポジフィルムの出力


過去仕事備忘録編集者/

はじめに

オフサイドに入社したのが1995年9月。
いつの間にか20年が過ぎていました。

元々デザイン畑の人間ではないので、
入社後も毛色の変わった事ばかりやってきました。

「温故知新」といいますが、過去の仕事を顧みる事で、
新しい何かが見つかるかも・・・という思いを込め、
備忘録として書き連ねてみます。

思いつくまま、気の向くままですので、
時系列はバラバラです。

 

第1回:

ポジフィルム出力機

弊社に「イマージュ」というフォトライブラリー部門があった頃、
自社でもレンタルイメージのカタログを出そうという事になりました。
それはデジタルCGに特化した「Dギャラリー」というカタログでした。
(プロジェクトの詳細はコチラを参照)
当時、まだデータによる入稿がさほど普及しておらず、
イメージ写真はポジフィルムでというのが一般的でした。
したがってレンタル用のポジフィルムが大量に必要となるため、
自社でデジタルデータからポジフィルムを作れる出力機を
準備することになりました。
現在の目からみれば、デジタルで作ったイメージを
わざわざアナログなフィルムに落とし込むのも本末転倒な
感じがするかと思いますが、黎明期というのはそんな遠回りを一つずつ
解消していく時代なのです。

そもそもポジフィルムって何?

最近の若い人は、フィルム式のカメラって使ったことないかも知れませんが・・・
一般に普及していたカメラに使われていたのはネガフィルムといって、
明暗が逆転している(色も補色側に逆転している)ものでした。
ネガティブのネガ、ですね。
一方、ポジフィルムはポジティブ、見たままの絵柄がフィルムに焼き付けられています。
ポジフィルムはリバーサルフィルムと呼ぶこともあります。
ちゃんと見えるのに「反転(リバーサル)」って、不思議な気がしますが、
元々ポジフィルムはネガフィルムを反転させて作ってたそうなので、
そういう呼び名になったようです。

フィルムのサイズ

35mm 6×4.5 6×6 6×7 4×5 8×10など色々です。D1_mor
小さい順に書いてますが、6×7より4×5の方が大きいです。
実は6×6や6×7はセンチ、4×5や8×10はインチなのです。
ちなみに読み方は、
6×7=ロクナナ
4×5=シノゴ
です。
でも何故か8×10は、
「エイト バイ テン」
と、英語読み(笑)
サイズの単位といい、読み方といい、実にカオスな世界です。

乳番

フィルムにはエマルジョンナンバーというのがあります。
乳剤番号、または略して「乳番」と呼ばれます。
フィルムを作るとき、ロットごとに乳剤が微妙に異なり、
色の再現性や感度に若干のバラツキが出るため、番号で管理していたのです。
弊社で出力していた際も、乳番が変わるたびにテストチャートを出力し、
色補正をかけるという作業を行なっていました。
ちなみに現在富士フィルムは化粧品を販売していますが、当初
「フィルム会社が化粧品?」
と、不思議に思わなかったでしょうか。
化粧品には乳液もありますので、写真をやってる人には、
「なるほどエマルジョンつながりか」
と、実に腑に落ちる話でした。

現像は外注だったのですが・・・

出力(レーザー光による焼付け)が終わったフィルムは
機器付属のカセットの中に納まります。
これを現像に出すには、光の入らない箱(元々フィルムの
入ってた箱。入れ子状になってます)に移し変える必要があります。
当然、暗いところでやらないといけない訳ですが、
会社に暗室なんてありませんでしたから、
男子トイレに目張りして、作業机を置いてました(笑)
当時、フォトライブラリーの部署だけでワンフロアー借りてました。
ライブラリーのスタッフはほぼ女性、
男性スタッフは私を含め数人だけでしたので、
大勢に影響はなく、いわば苦肉の策といったところです。

公開日/2015年12月24日



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