Staff-08 海瀬亨は「生え抜きの男」である


代表のひとりごと編集者/柏子見

20代の前半、1年ほど海外をフラフラしていた時期があった。
最初に入ったデザイン事務所を辞めて、オフサイドに入るまでの間の事だ。

その放浪記については、また機会があればどこかで書きたいが、
なぜ日本を飛び出したかというと色々な理由があったのだけれど、詰まるところ、

「海外に行けば、自分は変われるんじゃないか」

という事になる。

それで結局どうだったかというと、

「環境だけでは人は変われない」

という結論に達しても帰国した 笑

もちろん海外ではアメリカから南米、ヨーロッパまで、色々な国を歩き、色々な人に出会った。
その体験は何ごとにも変えられない貴重なもので、今の僕を形づくっている大切な要素であることは間違いない。

でも僕は結局「変わらなかった」のだ。

・・・・・・・・・・・・・

海瀬亨は、オフサイドに新卒デザイナーとして入った。

そもそもオフサイドというのは大半が中途採用の人間で、
新卒を育てる事がすごく下手な会社だ。

そんな会社で海瀬が20年以上勤め続け、今や押しも押されぬエースとして、
オフサイドのクリエイティブを引っ張って行ってくれているのは奇跡に近いと思う。

昔、そんな彼と色々な話をしている中で印象に残ってる言葉がある。

「環境じゃないですよ、自分がどうあるかですよね…」

どんな話のいきさつだったかは忘れた。
辞めるスタッフの話か、会社の問題点、はたまた彼の将来の展望の話だったかも知れない。

それを聞いた時にすごく驚いたのを覚えている。

僕が海外に飛び出して、1年かけてもがき、あがいた上に得た結論を、
日本にいながら、しかもオフサイドという経験の中でだけで達観できるとは…

「変わる」とは一体何なのだろうか?

それは文字通り変身だと思う。
サナギから美しい蝶に変わるように、自分にはもっと能力があって、
それを認められる日がいつか来る、そんなサクセスストーリーだ。

でもそんな事は、そう簡単には起きない。
でも、ちゃんと人は「変わって」いるのだ。
色々なカタチで、それも毎日少しづつ。

それに気付けるかどうかが重要なのだ。

どうやってその結論に達するか、それは人それぞれあると思うが、
「生え抜きの男」海瀬亨が、このオフサイドという環境の中でそれに気づいてくれた事は、
僕にとって本当に誇らしい事なのだ。

2017年10月

公開日/2017年10月04日



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