18 うたかた


脇道音楽堂 〜わたしの一曲〜編集者/柏子見

自分の中で一番古い、音楽の記憶は幼稚園のころ。

「今から一緒に来てくれたらデンジマン(当時の戦隊もの)のロボットを買ってあげる」と
小学生の姉に言われて、言われるままについていった先で
姉とその友達が歌い、踊っているのを見させられ、
何をしたらいいのか分からず、ただぼーっと見ていた。
そのときに歌っていたのがピンク・レディーの『UFO』だ。

自分はタイムリーに見た記憶がないが
当時、姉はピンク・レディーのカバンや筆箱など持っていたことは覚えている。ピンクのキャップに短パンタンクトップという二人の印象。

その後、姉がレコードプレーヤーを買っ てもらった。
自分にはレコードの仕掛けが本当に不思議で、レコードの針がうごくのが見たくて
我が家にあった唯一のレコードが今回の一曲です。

ピンク・レディー『うたかた』

 

まずジャケットに驚いた。
何故こんな化粧の大人な二人なんだ?左の人のパーマすごすぎる?
そして音楽もスローテンポで全然違う、、、
これで踊りがついてるの?みんな踊り覚えたの?
それも日本語じゃないし、何言ってるか分からない。
もしかして姉は同じ名前の違う人たちのレコードを買ったんだと思っていた。
でも家にはレコードはそれしかなく、レコ ードを回したくて
このピンク・レディーと付録でついてたソノシートを
回していたのが、自分の中の一番古い音楽の記憶。

自分の中では、これがピンク・レディーの最後のシングルだと
思っていたので、デビューとは違う成長した自分たちを最後にみせて
有終の美を飾るべく、あのジャケットにあの曲になったんだと勝手に思い込んでいましたが
今、調べてみると最後の曲ではないらしく、引退発表後の第一弾、しかも
アメリカ進出で出した曲の日本語盤という、ある意味、最後感満載の内容でした。
でも自分の中では、変化をしながらも前に進んでいった、
そんなイメージが勝手についている一曲です。

その後、姉からはロボットなんて買ってもらえず、
何故か『バーバパパだよ』と言われて
ピンクのお手製ぬいぐるみ(クッション?)を渡されました。

2019.1.18
久野 真嗣

公開日/2019年02月07日



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