No.22 わたしなりのジブリ


脇道映画館 〜わたしのジブリ〜編集者/柏子見

僕はジブリについてほとんど知識がありません。映画は1本も観たことがありません。この文章を書いている時点で知っている映画は「千と千尋の神隠し」と「となりのトトロ」。そして、映画について以下のことを知っています。

<千と千尋の神隠し>
●口元に血がついた少女が主人公の映画であること。

<となりのトトロ>
●大きい毛むくじゃらの生き物が主人公の映画であること。
●以前、トトロに似ていると言われたことがあり、小学校低学年くらいの娘がいる先輩に「うちの娘がお前を見たら『うわー、トトロだ』って言うと思う」と言われたことがあること。

これが全てです。しかも間違っているかもしれません。

特にジブリの映画を避けているのではないですが、自分から観たいと思ったことがなく、特に薦められたこともないから観ていないだけです。今後も他に観たい映画や、MotoGP、水曜日のダウンタウン、ドキュメント72時間、マダムギター長見順など優先したいコンテンツがたくさんあり、おのずとジブリの映画を観るのは後回しになってしまいます。

しかし、今回は「わたしのジブリ」がテーマです。自分で言うのもなんですが、ジブリについてここまで知らない人って、ある意味貴重だと思います。

よって、今の知識だけで、わたしなりの「トトロ」を想像してみたいと思います。
みなさんの知っているトトロと比較してみてください。

トトロは身の丈が約4.6m、体重は2.3tもある大きな生き物です。静岡県智満寺の川根大仏と同程度の大きさと考えるとイメージしやすくなります。年齢は294歳、あと4812年の寿命があると言われていますが、知能は人間の小学校低学年の子供と同じくらいでずっと成長しません。だから人間の子供と遊ぶのが大好きです。でも、トトロは人間ではありません、獣です。父方の祖先は八甲田山に生息していた伝説の雪男。母方の祖先はインド洋に生息していたダイオウイカ。そこから長い年月、変異を重ね現在のトトロになりました。なお、遠い親戚に「できるかな」のゴン太君がいるそうです。親友はポンキッキのムック。鶯谷の酒場で朝まで語り合う仲の良い友達でしたが、酔いが回ったムックは正論を執拗に主張して譲らないので、今はギクシャクした関係になってしまったそうです。
トトロは大きな大きな気球に乗って地方都市へやってきます。『うわー、トトロだ』人間の子供の声を耳にすると地上に降りてきます。獣であるトトロは人間の言葉は話せず、ゴン太君のような唸り声を上げるだけですが、みんなに会えた喜びを体いっぱいで表現すると、自然と子供達にも笑顔が広がります。すっかり子供達と仲良くなったトトロは、子供達を気球に乗せてみんなの住んでいる地方都市を上空から見せてあげたり、背中によじ登る子供達に、手をピーンとまっすぐに伸ばし滑り台のようにして遊んだり。
でも、楽しい時間は長くは続きません。トトロの主食となるオオアナコンダ、コモドドラゴン、フィリピンオオコウモリは、地方都市では見つけることができません。お腹が空いたら獲物の取れる山へ帰ることになるのですが、地図の読めないトトロは一度山へ帰ったら同じ地方都市に戻ることができません。同じ場所で子供達といつまでも暮らせるよう、トトロは人間の食べ物であるカントリーマアムを食べてみたこともありますが、人間にとって美味しいチョコチップもトトロには苦いお薬のようでした。お腹を空かせ山へ帰ることを決意したトトロ。子供達が寝静まる早朝、朝日に照らされた気球の中でこう思うのでした。「でもいいさ、人口20万人程度で独立した経済圏を持つ魅力的な地方都市はまだまだたくさんあるから」。

2021年1月27日
鵜野 真行

公開日/2021年01月25日



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