No.30 青春のジブリ
それは「火垂るの墓」。青春である。
私が、20歳代の頃、
学校の友人たち5人程でよく海水浴へ行った。
ギャアギャア騒いで民宿でもハシャいで
食事をして落ち着いた9時頃、
テレビで「火垂るの墓」が始まった。
ついつい最初から最後まで見いってしまった。
ほど良い気だるさの中、描写に感情が高ぶる。
涙が出てきた。
蛍光灯の下、周りを見てみると皆同じだった。
気恥ずかしさで茶化す素振りをみんながし始めた。
何か新鮮な気がした。。。
そして、次の夏。
その当時、8月終戦記念日あたりには
毎年必ず放映されるアニメであった。
年の瀬にやる「大石内蔵助の討ち入り」のようなもの。
また民宿で
「おいおい今年はやめとこうよ」と
言ってたのに・・・消すことができず最後まで。
もう30年ほど前の「私の青春ジブリ」である。
<火垂るの墓>
原作は1967年(昭和42年)54年ほど前の作品で
1988年にアニメ化(高畑勲監督)
兄、清太の「僕は死んだ」というナレーションから
始まり引き込んでいく。14歳の清太と4歳の妹節子は
太平洋戦争で両親を亡くし引き取り先の叔母から
邪険にされ家を出ることになる。
空襲から逃げ惑いあちこちを転々としながら
清太は妹を必死で守ろうとする。食べ物もなく、
妹が衰弱してドロップ缶の中のおはじきを舐めたり、
最後は、栄養失調で衰弱して二人とも死んでいく
なんとも切なく、戦争の悲惨さを訴える物語。
因みに1988年同時上映(2本立て)されていたのが
「となりのトトロ」だった。
2021年3月31日
柳沢 明弘
公開日/2021年03月31日