No.21 ◯◯世代
今回のテーマはググってもヒットしないワードという事なんですが、
僕には今後、世間に浸透して欲しい言葉があります。
野球界には、同学年の選手を一括りにして表す言葉があります。
最も有名な言葉は松坂大輔選手の「松坂世代」で、
他にも斎藤佑樹選手の「ハンカチ世代」、
「〇〇世代」という言葉ではないのですが、
古田敦也選手などを中心とした「プロ野球昭和40年会」などがあります。
例えば「松坂世代」という呼び方に関して。
甲子園大会でスーパースターとなった松坂選手がプロ野球に入団し、この世代の中心的な選手になりました。
その後、同学年の選手がプロ野球に入団して多数台頭してくると
「松坂選手と同学年の選手」として語られる機会が増えてきます。
同世代の選手が多くなればなるほどこの世代の存在感は増し、
「松坂世代」は同学年を表す便利な言葉として使われ、浸透していきます。
つまり、この「〇〇世代」という言葉、
甲子園の時にある選手が活躍し「〇〇世代」という言葉がその時に誕生したとしても、
その後、その世代の選手がプロ野球で多数活躍しなければ
世間には浸透しない言葉であると考えます。
「〇〇世代」という言葉が生まれるスタート地点を甲子園大会と考えるなら、
50年以上、甲子園大会の歴史になかった過去を持つある特別な世代があります。
最上級生の時に春も夏も甲子園大会が開催されなかった世代。
つまり、2020年4月時点で高校3年生だった選手たちの世代です。
高校生の選手の見本市という側面を持つ甲子園大会。
甲子園が開催されなかった2020年のプロ野球ドラフト会議で
指名された高校生の選手は30人でした。
2018年37人、2019年35人と比較すると若干少なくなっています。
長々と書きましたが、僕が世間に浸透して欲しい言葉は、
野球界においてこの高校3年生の時に甲子園大会が開催されなかった世代を表す
「〇〇世代」という言葉です。
この世代は甲子園で活躍したスーパースターはいませんので
選手名で「〇〇世代」と表されることはありません。
しかし、戦わずして甲子園を絶たれたこの世代の選手が
プロ・大学・社会人で頭角をあらわし、多くの選手がプロ野球で活躍するようになれば
甲子園が開催されてないという唯一無二の個性を持つこの世代は必ず脚光を浴びる存在になると思います。
そして、選手名ではない別の言葉で「〇〇世代」が生まれ語り継がれる未来が来て欲しいとプロ野球ファンの僕としては思うのです。
よって、僕が選んだググってもヒットしないワードは、
そもそもその意味を持つ言葉がまだ存在していないので、ありません。
今シーズン1軍の試合に出場する機会が多かった中日・髙橋宏斗投手、ヤクルト・内山壮真捕手などを中心に
未来の「〇〇世代」という言葉を生んでくれることを期待しています。
2023年1月11日
鵜野 真行
公開日/2023年01月11日