No.22 カラスグチ 細さ命の 非合理さ


脇道ちょっとGPT川柳編集者/

「川柳」「575」
小文字・伸ばしは、1文字カウント?
難しい。。

でもそこは言葉遊び、
ニュアンスでOKと自分で決めた。

「オフサイド」「クリエイティブ」がテーマ。
まずは、私が21歳で入ったデザイン事務所で
毎日夜な夜なやらされた事を歌った一句。

「カラスグチ 細さ命の 非合理さ」

まさに根性論の時代でした。
昔は印刷でよく使うA6・A5・A4・A3、
B6・B5・B4サイズの版下のトンボを
カラスグチで描いて用意しておくのが
新米の仕事だったのです。
このカラスグチに筆でインクを流し込み、
ネジ調整で口を細く細くして、
慎重に慎重に均等な線で、
四隅・センタートンボを描く。本当に難しい。
いいぞその調子と描けていても最後の最後にしくじることが度々。。。


毎日夜な夜な10枚〜20枚を仕上げて、
翌朝先輩にトンボの細さのチェックを受ける。
「こんな太いトンボあかん!」と叱られ
毎日仕事が終わってから風呂屋が閉まるギリギリまでやっておりました。
(風呂無し9,000円アパート)

その当時「ロットリング(ドイツ製)」という高価な製図ペンがあり、
先輩は、そのロットリングでトンボを描いてました。

それを見たとき「先輩・・そのロットリングは・・・」
「お前らにはまだ早〜い!」「細いトンボが描けるまで修行や!!」

「細いトンボが描けたところで!」「なんで僕らだけカラスグチ!!」と
何度もなんども心の中で叫び続けながら、その夜もトンボを描き続けたのでした。

数ヶ月が経ち、新米デザイナーに「ロットリング」は支給された。

改めてそんな「昭和デザイナー」が40年程経ち、今感じております句を。
「昭和D  アップデートが  追いつかず」
「外国か?  会議飛び交う  SNS語」

そして、今を活きる「令和デザイナー」との対比の句。
「叩き込む  SNS語  昭和D」
「わけもなく  SNS語  令和D」

2023年11月22日
柳沢 明弘

公開日/2023年11月22日



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